声帯を摘出した音楽プロデューサーのつんく♂(46)が、「音として聞き取れる」発声ができるようになっていたことが21日、分かった。

 都内で行われた「次世代に歌い継ぐ子守唄プロジェクト」制作発表会見で、音楽評論家で作詞家の湯川れい子氏が明かした。

 湯川氏は「NPO 法人日本子守唄協会」の会長を務めており、同協会創立15周年を記念した子守歌制作にあたり、つんく♂に作曲とプロデュースをオファー。この日、歌手クミコ(60)によって歌われた「うまれてきてくれて ありがとう」(9月2日発売)が完成していた。

 7月3日、つんく♂、クミコ、湯川氏の3人で制作の打ち合わせを何度もしたという。湯川氏によると、つんく♂は基本的に、持参したタブレット端末に文字を打ち込むことによって会話をしていたが、「つんく♂さんはとても訓練されていて、声帯が無くても、音として(声が)聞き取れるところもあって、とっても私たちの方が励まされました」という。つんく♂は「そうですね」「いいですね」「OK」などの単語を話していたという。

 つんく♂は昨年3月、喉頭がんであることを発表。今年4月、母校近大の入学式で声帯を摘出したことを発表していた。その後、声帯の代わりに食道の一部を振動させる「食道発声法」の訓練を続けていた。