女優高畑充希(23)が、来年4月スタートのNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(月~土曜午前8時)のヒロインに内定したことが23日、分かった。戦後の混乱期、亡くなった父親の代わりに家族を支えてたくましく生き抜いた主人公を演じる。連続ドラマはこれが初主演となる。

 高畑は、このほど行われた最終オーディションをへて、ヒロインを射止めた。関係者によると、オーディションには10代の若手女優も残ったが、今回の作品は40代まで演じる必要もあった。さまざまな点を考慮した結果、高畑に白羽の矢が立った。

 「とと姉ちゃん」は激動の昭和が舞台。12歳で父を亡くした主人公、小橋常子は、「とと(父)になって守ってくれ」という父の遺言に従い、長女として母と2人の妹を父の代わりとなり、懸命に養っていく。NHKは、ヒロイン像を「中身はオヤジ」と表現している。

 静岡から上京した常子は焼け野原となった東京を目の当たりにしながら、女性4人となった家族で小さな出版社を立ち上げ、庶民の目線に立った女性向けの雑誌を創刊し、女性の地位向上に貢献していく。戦後混乱期から高度経済成長期へ移行する日本を背景に、恋も遊びもそっちのけで奮闘しながら、たくましく生きていく姿をユーモアもまじえながら描いていく。

 高畑は今年がデビュー10周年。舞台経験も豊富で、07年から12年までミュージカル「ピーター・パン」で主演を務め、ボーイッシュな魅力を発揮。三代目J Soul Brothers岩田剛典(26)とダブル主演する映画「植物図鑑」が来年6月に公開されるなど、作品の中心に立つ機会が増えてきた。

 NHK連続テレビ小説は杏(29)がヒロインを演じた13年度下半期の「ごちそうさん」に出演。歌唱力を生かし、劇中歌「焼氷有り□/(ます)の唄」を披露して話題になった。14年の大河ドラマ「軍師官兵衛」にも出演を果たし、同局制作陣からの信頼も着実に得ている。

 「とと姉ちゃん」は早ければ、来月にも収録がスタートする。10周年という最高のタイミングで、さらなるステップアップに向け、大役に挑む。

 ◆高畑充希(たかはた・みつき)1991年(平3)12月14日、大阪府生まれ。05年ホリプロ主催「山口百恵トリビュートミュージカル」オーディション合格で芸能界入り。07年からミュージカル「ピーター・パン」主演。舞台「奇跡の人」「美男ですね」など主演。映画は「バンクーバーの朝日」「アオハライド」などに出演。158センチ。血液型AB。