戦後を代表するスーパースター石原裕次郎さんの世界を思う存分楽しむことができるカラオケルームが誕生した。今月25日から「JOYSOUND(ジョイサウンド)東京・上野広小路店」に、日本で唯一となる「石原裕次郎コラボルーム」がオープン。シックな内装の室内は、等身大フィギュアや巨大パネルが置かれ、歌唱する曲に合わせた映像が壁面に投影されるなど、文字通り、裕次郎さん一色。異色の試みとして話題を集めそうだ。

 裕次郎ファンの新たな「聖地」は、所属レコード会社テイチクエンタテインメントと、カラオケチェーン大手JOYSOUNDを運営するスタンダード社のコラボレーションで実現した。

 映画スターとして知られる裕次郎さんだが、亡くなるまでに500曲以上の歌を発表し、5000万枚以上の売り上げ記録を持つトップ歌手でもある。今も全国のファンがカラオケルームなどで熱唱している。今回のコラボ企画は、歌手石原裕次郎を思う存分楽しんでもらえるスペースを作りたいという両社の思いが一致して形になった。

 部屋は、真新しいビルの2階にある。受け付けを済ませて廊下を進むと、裕次郎さんの全身写真が貼られた真っ赤な扉が待っている。室内に入ると、正面に置かれた等身大フィギュアが客を出迎える。09年に行った二十三回忌法要イベントの際に制作され、会場となった国立競技場で展示されたもので、北海道・小樽にある石原裕次郎記念館に保管されていた。期間限定でコラボルームに設置される。

 シニア世代には落ち着く木目調のシックな内装が印象的で、12人前後がゆったりと座ることができる。壁3面にも、さまざまな仕掛けが用意されている。上方には、カラオケ人気ランキング上位のシングルレコードのジャケット写真35枚がずらりと展示されている。別の壁では、専用プロジェクターを使い、プロジェクションマッピングと呼ばれる投影技術で、ジャケット写真が入れ代わり立ち代わり映し出される演出も用意。映像で再現されたブラインドが上がって裕次郎さんの全身映像が浮かび上がる仕掛けもある。さらにもう1つの壁では、選曲した歌に合わせ、映画の名シーンや歌唱映像、ドキュメンタリー映像などが映し出される。まるで裕次郎さんの姿に包まれたような雰囲気でカラオケを楽しむことができる仕掛けになっている。

 企画担当者は「裕次郎さんを全身で感じながら、その世界観に浸っていただけると思います」と話す。

 ◆石原裕次郎コラボルーム 「JOYSOUND上野広小路店」東京都文京区湯島3の38の11、エスパス上野広小路2階。営業時間は午後5時から午前6時まで。

 ▼「石原裕次郎コラボルーム」ではJOYSOUNDの通信カラオケで、裕次郎さんのソロ曲446曲とデュエット曲63曲の合計509曲を歌うことができるが、通常のカラオケルーム同様、ほかの歌手の曲も自由に楽しむことができる。