NHK木曜時代劇「ちかえもん」(14日午後8時スタート、全8回)の記者会見が5日、東京・渋谷の同局で行われ、主演の青木崇高(35)松尾スズキ(53)富司純子(70)らが出席した。

 スランプに陥ったさえない作家の近松門左衛門(松尾)が、謎の渡世人(青木)と出会い、翻弄(ほんろう)されながらも傑作の「曽根崎心中」を誕生させるストーリーで、娯楽時代劇になっている。

 青木は当初、役柄のハチャメチャな言動を理解しようとしたが、かなりの苦労をしたという。だが「途中で、『(渡世人が)人じゃなくていいや』と思ったら楽に演じられるようになった」と、役作りの悩みが吹っ飛んだという。そして「時代劇に距離を置いていた若い人が食いつく楽しい時代劇。ぜひ中高生に見てほしい」とアピールした。

 脚本家としての顔を持つ松尾は、近松と自分を比較して「近松の設定は51歳で自分と近い。50歳を過ぎてヒット作を作るなんて…。300年前の人に励まされる。自分はまだ1本もヒット作がないので」と自虐ネタで笑わせた。

 富司は近松の母親役。「松尾さんの百面相、セリフの間合いがいいし、(青木と)2人の『あうんの息』がとてもよい」と話した。