落語家立川志らく(52)が、ネタの「笠碁」で5代目立川談志(11年没)と三代目古今亭志ん朝(01年没)を演じる。

 囲碁をテーマにして、碁敵の友情を面白おかしく演じる人情噺。2人の囲碁好きを、自らの師匠である談志と、そのライバルだった志ん朝になりきって演じる。

 14日に開幕する、自らが率いる劇団「下町ダニーローズ」の第18回公演「不幸の家族」(東京・北沢タウンホール、29日まで全20公演)のオープニングで「笠碁」をかける。志らくは「ファンサービスで、師匠の談志と志ん朝師匠になりきります。お客さまの想像力が膨らんだところで、芝居を見てもらえれば。おそらく談志も来てくれるんじゃないかと思います。家元に会いたい方は、ぜひ」と話している。

 「不幸の家族」は、志らくが作・演出・主演。故向田邦子さん(81年没)原作でドラマ化、映画化された「あ・うん」へのオマージュ作品。東京五輪後の2025年、世の中がきな臭くなって第3次世界大戦へ向かう世相を背景に友情、コメディー、風刺をサスペンス仕立てで演じる。主人公の志らくの親友をモロ師岡(57)、息子をぜんじろう(48)が演じる。

 志らくは「芝居は面白いからやってるだけ。うちの師匠の談志が政治家になったのと同じ(笑い)。結果的に、落語に返ってきた。感情よりも、どれだけ気持ち良く聞こえるか、リズムとメロディーを大切にした“落語的演出”を心掛ける」と話している。