男性ボーカルデュオ、CHEMISTRY(ケミストリー)が再始動することが7日、分かった。12年4月、堂珍嘉邦(38)川畑要(37)がそれぞれソロ活動に専念するため活動を休止。来年2月28日、3月1日に東京国際フォーラムで約5年ぶりとなる単独ライブを行い、2人のハーモニーを再び響かせる。このほど取材に応じ、活動再開の決意を語った。

 活動休止から4年半。11月下旬に都内のスタジオで行われた撮影で、久しぶりに2人で並んだ。向かって左に堂珍、右に川畑と定位置に収まると、自然に笑みがこぼれた。今年デビュー15周年。自然と再始動へ気持ちが傾いていった。

 堂珍 音楽で飯を食っていく中で、15年ってなかなかできることではない。待ってくれていた人のために、自分たちのためにやっていこうと思いました。

 川畑 15年という節目が大きかったです。僕らのことを知らない世代も増えてきて、逆にチャンスでもある。また2人で並んだ姿を見せたいと思いました。

 もともとはソロ歌手を目指して、テレビ東京系「ASAYAN」の企画オーディションを受けた。01年にデュオ、CHEMISTRY(化学の意)としてデビューし11年間活動。デュオ名は、音楽的な化学反応を期待され名付けられた。ヒット曲も連発した。それでもソロへの思いは捨てきれず12年4月、1度ケミストリーの活動を休止した。

 堂珍 当時は、2人でやれることはやりきったと。ソロとしても挑戦したかった。自分の中で血の入れ替えが必要だと思っていました。

 川畑 2人で活動していく中で、得るものも失うものもあった。でも解散するつもりはなかったです。

 休止していた4年半、それぞれ音楽活動にとどまらず、舞台、ドラマにも出演して表現の幅を広げてきた。2人での活動はなかったが、交流は続けていた。

 堂珍 SNSも見ていましたし、CDを送りあったり、刺激になっていました。

 川畑 ライブや舞台も見に行ったよね。お互い充実していたし、僕らは良いタイミングでソロも活動できたんだと思います。

 2年前の正月、堂珍が川畑に再始動に向けての思いをメールした。互いのケミストリーへの温度を確かめ合いながら「周りにバレないように(笑い)」(川畑)話を進めてきた。2月28日の単独ライブで活動を再開し、今後は楽曲制作にも取り組んでいく。

 堂珍 ソロ活動を通じて、休止前よりも自然体になれた。僕らは真っすぐに歌うことが得意だと思うので、そこを再認識していただければ。フットワーク軽くやっていきたいです。

 川畑 声を重ねたり、隣で相方の声を聞いてドキッとするのが楽しみ。歌に対する思いや深さは、前よりも生かせる。2人あってのケミストリー。やりたくて始めるので、その気持ちだけでも感じてもらえればと思います。

 パワーアップした彼らがどんな化学反応を見せるのか楽しみだ。【大友陽平】

 ◆CHEMISTRY(ケミストリー) 1978年(昭53)11月17日、広島県生まれの堂珍嘉邦(どうちん・よしくに)と1979年(昭54)9月27日、東京都生まれの川畑要(かわばた・かなめ)が、01年1月、テレビ東京系「ASAYAN」のオーディションで1万9100人の中から合格し結成。同3月に「PIECES OF A DREAM」でデビューし、ミリオンヒットを記録。同年のNHK紅白歌合戦に初出場。12年4月、全国ツアーの最終公演で活動休止を発表。CD総売り上げは約1800万枚を記録。