米朝一門の桂南天(48)が、故桂米朝さん(享年89)ゆかりの大阪・サンケイホールブリーゼ(912席)で、米朝さんのひ孫弟子としては初の同劇場独演会(来年4月23日)を開くことになり、20日、同劇場内で会見した。

 「今、うれしくて、楽しくて、幸せです」

 生真面目で知られる南天は、ありったけの喜びを表現する言葉を並べて、同劇場での初独演会について、感想を口にした。

 12年に南天を襲名。その2年後から、勉強会を開き、ここまで26カ月連続で行ってきている。

 「元来がずぼらなので、このままではおもしろくない、ダメなはなし家になると思って、2年前から毎月、勉強会をして、ネタ下ろし(を)してきました」

 当初40人ほどだった観客が今、100人に増え「この先、毎月200人集められるようになったら、安心できるかなと思います」と笑った。

 襲名から4年で、師匠連と同じサンケイでの独演会開催にたどり着いた。

 「いや、師匠(南光)やざこば師匠は32~33歳で(初独演会を)やってはるから、遅かったと思います。順調なんて、とんでもない。最近、そう言われるんで(多忙と思われ)風評被害で仕事、減ってます。先週の土日も休みで、回転ずし食べてましたから」

 南天は、苦笑しながら、こう話した。

 サンケイは人間国宝だった米朝さんが毎年お盆、正月に独演会、一門会を、前身サンケイホール時代から定期開催。故桂枝雀さん、桂ざこば、桂米団治、孫弟子では桂南光ら一門の人気はなし家が独演会を続けている。

 南天は、その南光の弟子。米朝さんから見れば玄孫弟子まで、上方最大の一門総勢約80人の中でも、初のひ孫弟子での独演会開催となった。

 演目は「ちりとてちん」「だんじり狸」「愛宕山」の3席を予定。

 南天は「人さん(人様)を嫌な気持ちにさせないよう、気持ちよくなってもらおうとしてきた僕の生きざま、性格をそのまま(ネタに)出しますんで、僕がどんな人か見に来てください」と話している。