歌手米良美一(45)が2日、都内で新曲「無言歌(むごんか)」の公開レコーディングを行った。14年12月にクモ膜下出血で倒れて生死をさまよって以来、初のCDとなる20周年記念のベストアルバム「無言歌」(4月5日発売)に収録される。

 米良は14年12月に都内の自宅で意識不明のところを発見され、2度の手術をへて翌年3月に退院。同年9月に273日ぶりにステージ復帰、昨年1月には復帰後初のソロコンサートを開いた。CD発売は、倒れる前の14年7月の宮川彬氏との共演CD「手紙」以来。「山あり谷ありで、なかなかコンスタントにCDを発売できないけど、こうしてチャンスをあたえていただけてありがたい。これも、ひとえにファンや関係者の皆さんの支えのおかげ、本当に幸せです」と笑顔を見せた。

 「無言歌」はジョージア(グルジア)で広く愛されている哀愁漂うメロディーに、新たに再出発への思い込めた詞を付けた。米良は「老成した人が自分の人生を振り返る内容。2年前に生死の境をさまよって、第2の人生を生きる私にとって、新しく生きなおす決意表明の思いを込めた曲。病気を乗り越えた経験を無駄にせず、歌に込めました」と話した。

 歌声は、すでに完全復活したように思えるが、米良は「いくら私が『もののけ』でもね」と、代表曲「もののけ姫」にかけて苦笑い。「昔は20代だったのが、今は45歳になりました。日々、老いとの戦いです。それは、お金があろうがなかろうが、有名だろうがそうじゃなかろうが関係ない。新鮮さを失わないように、好きで始めた道なのだから全うしたい」と、声に力を込めた。