上方落語協会が主催する若手落語家トーナメント「第3回上方落語2017 若手噺家(はなしか)グランプリ」の決勝進出者が15日、大阪市北区の同協会会館で会見した。

 決勝は6月20日、大阪・天満天神繁昌亭で開催される。

 入門4年目から18年未満までの若手が4回の予選を競い、頂点を目指すグランプリ。同席した若手担当役員の協会副会長で、故桂米朝さんの長男、桂米団治(58)は「40代でも若手(の世界)。僕も来年は還暦やし、若い人たちに触発されています」と話す。

 上方落語協会では、03年から会長に就き、大阪に天満天神繁昌亭をオープンさせ、神戸での定席劇場にもメドを立てた桂文枝(73)が、来年の8期目任期を終えての勇退を表明。昨年から若手育成部門を新設し、長らく「人間国宝の息子」として、上方落語界のボンボン的立場だった米団治は、文枝から、その若手部門を率いる役目を請け負っている。

 「繁昌亭をきっかけに、このグランプリもできて、若手が日の目を見る場所もできて、起爆剤になっている。僕らもウカウカしてられへん。私にも、いい起爆剤になっています」

 この日も文枝会長に代わって、会見を進行した米団治は、端正な顔を引き締めて話した。

 そのグランプリは今年で3回目。もともと、文枝が若手落語家にメディア進出の機会を与えようと企画したものでもあった。まだテレビやラジオ放送のタイアップはついていないが、予選で審査に当たった桂米二(59)も「じょじょに。いずれ、そうなればと」と話し、年々手ごたえも感じているという。

 今年の決勝進出者は桂雀五郎、桂雀太、桂二乗、桂三四郎、笑福亭喬介、桂小鯛、林家染吉、桂華紋、桂米輝の9人。会見には桂雀太(40)ら6人が出席し、雀太は「3回目の決勝。後輩に負けたくないという気持ちもありますが、自分との戦いです」と気を引き締めた。

 優勝者(大賞)には20万円が贈られることも決まっており、決勝進出者ただ1人の20代、桂華紋(かつら・かもん=29)は「今週末に大学時代の後輩と結婚するので、ぜひとも優勝したい」と話していた。