俳優長門裕之(76)が23日、東京・池袋の新文芸座でトークショーを行った。同劇場では長門の芸能生活70周年記念と、昨年10月に死去した夫人の南田洋子さん(享年76)を追悼する特集上映を行っており、この最終日に長門が登場して日活時代の思い出を語った。

 会場は長門と同年代の観客で埋まり、洋子さんとの出会いの作品「太陽の季節」についての質問が飛んだ。「洋子はスターだったけど、僕は駆け出し。あいさつに行ったら『あなた、ミスキャストね』なんて言われて、第一印象は悪かった」と笑った。「(石原)裕次郎が洋子のバッグを持って、僕が靴を持って、岡田真澄がエスコートしてね。銀座のクラブに行ったりした」と撮影当時を懐かしそうに振り返った。

 長門は4年にわたって夫人の認知症の介護生活を続けた。「最期に洋子が僕の指を握ったのは、痛いからなのか、さよならだったのか。これから僕は好きなように解釈して生きていきます。死ぬまで映画界にいたい」と話した。

 [2010年1月23日16時19分]ソーシャルブックマーク