放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は10日、沖縄県南大東島の農家を取り上げたテレビ東京の情報バラエティー番組「ありえへん∞世界」について、「放送倫理の観点から非常に質が悪い」として、審議することを決めた。

 番組は1月25日に放送。南大東島には年収1千万円以上のサトウキビ農家が150~200軒あり、沖縄本島に豪華な別荘を所有していると紹介。イメージ映像として、米国の高級住宅地ビバリーヒルズの建物を映した。放送後、インターネットで話題になり、南大東村長が「事実と全く違う」とテレ東に抗議。同局はおわびの放送を流し、村に謝罪。「誤解されかねない表現と行き過ぎた演出があった。社内でも独自に検証し、再発防止策に取り組んでいる」とコメントしている。

 川端和治委員長は「農家が補助金でぜいたくな暮らしをしているかのように、面白おかしくまとめており悪質」と指摘した。

 また委員会は、自民党議員が司会を務め、出演者も全員自民党議員だったBS11の報道番組「“自”論対論

 参議院発」について審議を終了。「一党一派に偏しており、番組基準に違反している」との意見を公表することを決めた。