舞台を中心に幅広く活躍した俳優、演出家で絵本作家としても知られた米倉斉加年(よねくら・まさかね)さんが26日午後9時33分、腹部大動脈りゅう破裂のため福岡市内の病院で死去した。80歳。福岡市出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は妻テルミさん。後日、お別れの会を開く予定。

 劇団民芸の演劇研究所や劇団青年芸術劇場などを経て、民芸で「ゴドーを待ちながら」などに出演。宇野重吉さんの相手役などを務め、2000年に退団するまで、劇団の中心俳優、演出家として活躍した。

 舞台「放浪記」では、森光子さん演じる林芙美子の友人白坂五郎役を長年にわたり演じた。他の代表作に「リア王」「大司教の天井」「オットーと呼ばれる日本人」など。07年に劇団「海流座」を立ち上げ、代表を務めた。

 くせの強い悪役や存在感のある脇役など、重厚な演技で知られ、テレビではNHKの大河ドラマ「三姉妹」「勝海舟」「花神」や連続テレビ小説「ちりとてちん」などに出演。映画は「動乱」や「男はつらいよ」シリーズなどで知られた。

 絵本作家としても活躍し、「魔法おしえます」「多毛留」でイタリアのボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞を2年連続で受賞した。