歌手都はるみ(60)の所属事務所代表で、都を公私にわたってサポートした中村一好(なかむら・いっこう)さん(本名・中村一好=なかむら・かずよし)が4日未明、都内の自宅で急性心不全で死去していたことが7日、分かった。60歳。すでに親族のみで密葬が行われた。

 関係者によると、都は3月4日から新宿コマ劇場で座長公演「好きになった人」を行っていた。中村さんは後半の歌コーナーで演出を務めており、同20日の千秋楽まで中村さんは連日、劇場に顔を出していた。千秋楽の打ち上げパーティーにも元気に参加。公演終了後もレコード会社のスタッフと打ち合わせや連絡を取り合っていたという。別の関係者は「体調を崩したとか入院したとか、まったくなかったと思う」と突然の訃報(ふほう)に驚きを隠せなかった。

 都は先月20日の自身のブログで、マネジャーの蓑毛政嗣さんが闘病の末、3月18日に54歳で亡くなったことをつづっていた。「詳細については、近く中村より報告があると思います」とも。中村さんも、千秋楽に蓑毛さんの死を知りショックを受けていたという。

 中村さんは日本コロムビア入社後に制作部のディレクターとなり、ちあきなおみ「さだめ川」新沼謙治「嫁に来ないか」石川さゆり「天城越え」などをプロデュース。都の作品は「大阪しぐれ」「夫婦坂」などがあり、中村さんには当時から妻がいたものの、2人は恋人として知られていた。90年、都が子宮筋腫の悪化で緊急入院した際も、中村さんが会見で経過を説明した。

 関係者によると、都は憔悴(しょうすい)しておりコメントできる状態ではないという。都の座長公演は6月に大阪で予定されている。