SKE48・チームSの「ダブル松井」が、09年から大躍進して初のメディア選抜入りの快挙だ。09年29位の松井玲奈(18)が11位、同19位の松井珠理奈(13)が10位にジャンプアップした。2人はともに順位が発表された途端、顔を手で覆って号泣した。松井玲は「モヤシみたいな私に投票してくださって…。1年頑張ってきて、進んできた道が間違っていなかった」と涙ながらに吐露した。

 SKE48にとって、今回は真価が問われる場だった。08年9月発売の「大声ダイヤモンド」で、公演デビューもしてない松井珠が、わずか11歳228日で選抜メンバーに大抜てきされた。松井珠は秋元康氏から才能を期待され、その後も選抜入りを続けたが、翌09年7月の第1回総選挙では結果を出せなかった。

 悔しさを胸にエースの松井珠を筆頭にSKE48は「上位進出&AKBさんのように全国区へ」を合言葉に厳しいダンス特訓を繰り返し、関係者からは「AKBより上」との評価を受けるまでに成長した。松井珠は名古屋弁を駆使した、おやじギャグを語り、新たなキャラ作りに取り組んだ。松井玲も、テレビ東京系「週刊AKB」に出演し、AKB48のメンバーがギブアップした激辛料理を食べるなど、体を張り続けた。同局系ドラマ「マジすか学園」にも出演し、全国区の知名度を得た。

 09年、圏外だったチームSの大矢が24位、チームKの高柳が35位、チームSの矢神が38位と40位以内に5人も入った。「正直、総選挙があると聞いたとき不安でいっぱいでした。次回があったら、もっと上を目指す」。松井珠の顔は、SKE48のエースとして誇らしげだった。【村上幸将】

 [2010年6月10日9時2分

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