レコード会社エイベックス主催の夏の野外音楽フェス「a-nation」の最終公演が29日、東京・味の素スタジアムで行われて、ラストシーンで小室哲哉(51)と浜崎あゆみ(31)倖田来未(27)らが、初めて一堂に会した。小室が作曲したa-nationの初の公式テーマソング「THX

 A

 LOT(サンクス・ア・ロット)」を、16組33人で熱唱した。

 90年代のエイベックス創生期を引っ張った小室と、00年代の隆盛期を築いてきた浜崎と倖田、ELTらが、初めて同じステージに立った。最終公演のラストナンバーは、エイベックスの名を全国に示す夏フェスa-naitionが、9回目にして初めて設けた公式テーマ曲。どん底から復活した小室が「皆さんへの感謝の気持ちを込めて1曲作らせてもらいました」とあいさつすると、TRFのYU-KI(43)が、出演者を1人ずつ紹介し、ユニット「a-nationd’s

 party」を勢ぞろいさせた。

 小室サウンドの申し子TRFから、ジュンス、ジェジュン、ユチョン(JJY)まで合計33人が大合唱。豪華な顔ぶれと歌声に、5万人の観客が酔いしれた。シンセサイザーを弾く小室も、照れくさそうに小さく笑っていた。

 昨年3月。小室の5億円詐欺事件の公判に情状証人として立ったエイベックス松浦勝人社長(45)は「小室さんがいなければ今の自分もエイベックスもなかった。ELTやEXILE、浜崎あゆみ、倖田来未なども小室さんなしには生まれなかった。小室さんは僕の恩師です」とかばい、弁済金などの6億5000万円を立て替えた。

 今年に入ると、同社が小室の作曲活動を全面サポート。常々、松浦社長と一心同体と公言する浜崎も、9月22日にリリースする49枚目シングル「crossroad」の作曲を小室に依頼し、この夜に披露した。

 倖田がオープニングを飾り、JJY、TRFで会場を盛り上げ、トリは浜崎が務め、最後は小室を囲んでの大団円。ついに新旧のエイベックスの顔が、2010年代最初の夏に集結した。この20年間のJ-POP界を最前線でけん引してきたレコードメーカーは、温故知新の精神で新たな時代の扉を開くことになる。

 [2010年8月30日8時39分

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