今年7月に亡くなった劇作家で演出家のつかこうへいさん(享年62)の代表作「熱海殺人事件」が、来年2月4日から14日まで東京・紀伊国屋ホールで上演されることが15日、分かった。長谷川京子(32)がつか作品初登場で警官ハナ子を演じ、つかさんの「チケット代は安く」の遺志で紀伊国屋公演として破格の2500円というのも話題だ。

 「熱海-」は73年に文学座に書き下ろされ、74年の岸田戯曲賞を25歳の最年少(当時)で受賞。76年に紀伊国屋ホールに初進出した。85年に韓国ソウルで上演され、86年には仲代達矢主演で映画化。演劇活動再開直後の90年に上演され、その後「売春捜査官」「モンテカルロイリュージョン」と変化しながら上演された。出演も故三浦洋一さん、風間杜夫、平田満、加藤健一ら常連に、阿部寛、石原良純、内田有紀、黒木メイサ、黒谷友香も出演した。

 伝説の「熱海-」がつか演劇の拠点だった紀伊国屋ホールで「つかこうへい復活祭」と銘打って毎年上演される。第1弾となる今回は「熱海殺人事件

 NEXT

 ~くわえ煙草伝兵衛捜査日誌~」として、生前のつかさんが起用を考えていた長谷川をはじめ、部長刑事木村伝平衛を山崎銀之丞、犯人大山金太郎を柳下大、刑事熊田留吉を北区つかこうへい劇団の武田義晴が演じる。

 演出の岡村俊一さんは「プロデューサーとして『熱海殺人事件』を続けることに使命感を持っている。原点に戻り、オーソドックスに演出つかこうへいのつもりでやりたい」。再来年以降もキャスト、スタッフを変えながら上演を続ける。

 [2010年12月16日8時58分

 紙面から]ソーシャルブックマーク