タレント狩野英孝(29)は12日に仙台市内でイベントを行う予定だったが、地震の影響で中止になった。この日午後4時前にブログを更新。「地震が起きた時はまだ東京にいました。ご心配をお掛けしました」と無事を報告した。「(12日)お昼過ぎに、やっと実家の親と連絡が取れました。いまだに停電や断水で大変みたいですが、命は無事です。しかし、神社の方は灯籠が倒れたり、崩れたりと大変危険みたいなので、近づかない方がいいと思います」などと呼び掛けた。

 狩野の実家は、宮城県栗原市にある桜田山神社で、鳥居は無事だった。同神社の鳥居は約300年の歴史があったが、08年6月に起きた岩手・宮城内陸地震で倒壊。09年1月、約180万円の費用で「再建」したばかりで、再被害が危ぶまれていた。父で、約1500年の歴史を持つ同神社の第38代宮司勉さん(58)はこれを機に、息子が神社の跡継ぎになってくれることを期待しているという。

 栗原市は今回の地震で最高となる震度7を記録した。しかし勉さんによると、鳥居や家族、建物などの被害はなく、灯籠が3つ倒れた程度だった。

 勉さんは「08年の地震は下からバンという感じで強かったが、今回は横に揺れて長かった。ただ今回はライフライン復旧のめどが立つのが、前回に比べて遅い印象。まだ風呂も入れない」と訴えた。

 英孝は今年1月、栗原市の成人式で講演するため、実家神社を訪れたばかりという。勉さんは英孝に対し「復旧作業に協力してくれたらうれしい。そして、できれば39代宮司として私の跡を継いでほしい」と話した。【広部玄】