テレビドラマ、多数のCM出演で注目されている女優武井咲(17)が、来年のNHK大河ドラマ「平清盛」にヒロイン級の重要な役で出演することが6日、分かった。関係者によると、松山ケンイチ(26)が演じる主人公、清盛の側室役が有力だ。スター女優への階段を一気に駆け上がっている武井の起用で、NHKも視聴率アップに勢いをつける狙いのようだ。武井にとっては、初のNHKドラマ出演が、大河ドラマになる。

 勢いのある旬な女優をNHKは放っておかなかった。複数の関係者によると、武井が演じるのは、重要な女性キャストの1人で、ヒロイン級。ストーリー展開の鍵を握る形で描かれるであろう側室の常盤御前役が有力だ。

 常盤御前は、近衛天皇の中宮に仕える女性だったとされる。採用の際、都の大勢の美女が集められ、最も美しい女性として選ばれたといわれている。その後、源義朝の側室となるが、平治の乱(1159年)後に義朝は追われ、清盛に美貌を請われて側室にされた人物。作品では清盛を中心とした男の世界だけでなく、待賢門院や美福門院のほか、清盛の正室平時子、尼将軍と言われた頼朝の妻北条政子らも、平安時代の最後を飾る女性として描かれる予定だ。原作のないオリジナル脚本のため、史実にない役柄もあり得るが、武井が重要な役を演じることは間違いない。

 武井は、06年の全日本国民的美少女コンテストでモデル部門とマルチメディア部門をダブル受賞し、芸能界入りした。今年1月期のフジテレビ系月9ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」に出演。続いて、4月スタートのテレビ朝日系ドラマ「アスコーマーチ」では初主演を果たしている。昨秋には、資生堂「TSUBAKI」のCMに出演。注目度が高まり、現在はロッテチョコレート、ソフトバンクモバイルなど5社のCMに出演中だ。強い目力に演技力も伸びてきたことから、「CMだけでオファーは数十件。ドラマ、映画の出演依頼も殺到している」との情報もある。

 NHKにとっては、若い視聴者獲得が長年の大きな課題だが、若者を中心に支持される武井への期待は大きい。今月中には、武井を含めた主要な出演者の発表があるとみられる。