女優高島礼子(47)が初めて海外作品に挑戦した韓国の単発スペシャルドラマ「のり子、ソウルへ行く!」が11月10、11日、東京で試写会上映されることが決まった。韓流スターにあこがれてソウルに向かう主婦を演じた高島は「女優人生が変わるような作品」と強い思い入れを語った。韓国での好評を受けての試写会開催。反応次第では今後、日本のテレビで放送される可能性もある。

 海外作品への出演は「これっぽっちも考えていなかった」という。転機は突然訪れた。高島は今年7月、韓国の制作サイドから1時間半のスペシャルドラマ「のり子-」への出演オファーを受けた。

 「東日本大震災以来、私にできることは何だろうと思い続けてきましたが、役者として挑戦することかもしれないと思って受けました。ただ、台本も何も決まってなかったんです。仮台本を見て韓国語を大急ぎで勉強して出発しました」

 到着して最終台本を受け取ったが、仮台本から大幅に変わっていた。

 「いつ逃げだそうかと思いました。顔合わせの時も韓国語を全然話せなくて。でも、あきらめないことが信念。ボロボロになって必死で準備しました。こんなに集中してやることが多かった作品は初めてです」

 共演者は日本でも人気のバンドFTISLANDのボーカル、イ・ホンギ(21)。セリフのチェックなどもしてくれたという。長年の友人で、ドラマ「トンイ」などで知られる俳優ペ・スビンも、現場を訪ねてくれたり、食事会にも来てなごませてくれた。

 同作が韓国KBSで放送された9月、日本の自宅でも視聴できるようテレビを設定して、夫で俳優の高知東生と一緒に見た。約1カ月の韓国滞在中、電話で愚痴を聞いてもらい、高知にも助けられた。高島は「『制作発表で、ホンギ君のおかげって言ってたけど、俺のおかげだよなあ』って言ってました」と笑った。

 苦労のかいあって、放送後には「涙と鼻水があふれた」「1回限りとは惜しい」など感想がテレビ局に寄せられた。高島は「初心に戻り、女優人生が変わるような作品でした。またアジアの作品に挑戦したい」と、新しい可能性に目を輝かせた。【小林千穂】

 ◆「のり子、ソウルへ行く!」

 韓流大好き主婦のり子(高島)が、がんの診断を受ける。歌手になる夢を諦めたことを思い出し、夢を追う姿を娘に見てもらうため、ソウルで開催されるオーディションに参加する。会場で、青年ミンハ(ホンギ)の歌に衝撃を受け、のり子はレッスンを依頼する。日本人主演作としては初めて、韓国コンテンツ振興院、ソウル映像委員会の支援を受けた。