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エリート落語家立川志の春/気になリスト

商社勤務という異色の経歴を持つ立川志の春
商社勤務という異色の経歴を持つ立川志の春

<連載「気になリスト」(33)>

 会社員から落語家への転身は多いが、立川志の輔門下の立川志の春(37)ほどのエリートサラリーマンだった落語家はいないだろう。米国の名門エール大を卒業後、大手商社三井物産に勤務していた。「会社の同僚だった彼女と巣鴨を歩いていた時、志の輔独演会の看板を見て『テレビで見た人だ』と思って会場に入ったんです」。

 衝撃を受けた。「落語ってこんなに面白いのかと思い、やってみたいと思った。半年たっても気持ちが残っていたら、やってみようと思った」。落語を見て回って、なりたい気持ちが募った。一緒に見た彼女(現在の妻)はすぐに賛成したが両親の説得に3カ月かかった。「弟も当時は劇団四季で俳優をしていたこともあり、反対しきれないと思ったのでしょう。最後は納得してもらいました」。

 3年半勤めた三井物産を退社した時、上司に「本気か?」と聞かれ「本気です」と答えた。直後、志の輔に弟子入り直訴した。「会社員時代に会った時は『趣味で落語と付き合いなさい』と言われたんです。『会社を辞めてきました』と言ったら『会社を辞めるのをやめなさいと言ったのに』と驚いてました」。

 入門したものの、落語はもちろん未経験だった。「米国生活が小さいころを含めて7年半もあったので、自己主張をしてはダメなど、落語の徒弟制度に面食らうことも多かった」。前座が長く、二つ目には11年に昇進。それまで古典ばかりだったが、昇進を機に新作も作り始めた。「今は10作ぐらい。日本に落語という素晴らしいものがあることを世界に広めたくて英語落語も始めました」。

 最近「誰でも笑える英語落語」を出版。英語落語を引っ提げてシンガポールなど海外公演も行う。「テレビに出たい気持ちはない。以前『平成教育学院』に出た時に正答率も低かったのでクイズ番組も興味がない。エール大時代に在籍したラグビー部の仲間は落語を見たことがないので、米国でみんなの前で落語をやってみたい」。【林尚之】

 ◆立川志の春(たてかわ・しのはる)1976年(昭51)8月14日、大阪府生まれ。偏差値で受験校を決めることに反発し、米国のハーバード大など名門大9校を受験、第2志望のエール大に入学。三井物産で鉄鉱石部門を担当後、02年に志の輔に入門。11年に二つ目に昇進した。

 [2013年11月22日11時28分 紙面から]

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