2020年東京五輪・パラリンピックのコスト削減などを話し合う4者協議の作業部会が3日、都内の大会組織委員会で最終日の会合を終え、3日間の会議でボート、カヌー・スプリント会場に立候補している埼玉県の彩湖案は議題にすら上がらなかったことが分かった。大会関係者が明かした。都、国、組織委、国際オリンピック委員会(IOC)の4者で行われ、報道陣には完全非公開だった。

 埼玉県は10月27日に彩湖の整備費を266億円になると独自試算を公表。同31日には上田清司知事が東京都の小池百合子知事を訪問し、直談判までした。都の調査チームが彩湖を候補案から外した1日にも上田氏は「(調査チームは)結論を出すチームではない。4者協議の場で取り上げていただきたい」と話していたが、絶望的となった。

 最終日の作業部会後、国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・デュビ五輪統括部長が初めて取材に応じた。11月末のIOCコーツ副会長、小池百合子都知事らによる4者のトップ協議で会場見直しなどを決定することを明かした。

 デュビ氏は、今回の会合を「何かを決めたり、方向性を出すものではない」と強調。ボート、カヌー・スプリントの宮城・長沼案、バレーボールの横浜案も「オプションはすべて残っている」と話した。彩湖の名前は出なかった。