東京都の小池百合子知事(64)は4日、都庁で定例会見を行い、豊洲市場への移転延期問題について、環境影響評価(アセスメント)のやり直しが必要な場合、最大15カ月程度かかる見通しだと公表した。

 「豊洲市場への移転の課題と行政手続きのステップ」との資料を公表。ステップ(1)は安全性等の検証で、現在設置している専門家会議と市場プロジェクトチームの審議が中心。それが終わった後に、ステップ(2)として環境アセスメントに入る。環境影響が軽微の場合は1、2カ月程度で終了する見込み。影響が大きい場合は再検討が必要で、15カ月程度かかるといい、移転が18年以降に大きくずれ込む。

 小池氏は「そうなれば移転延期はかなり長期にわたる」とし、市場業者に対する支援、補償を考える「補償検討委員会」を今月中旬に設置することを発表した。委員会の座長は鈴木五十三弁護士。他に公認会計士、中小企業診断士ら6人で構成される。豊洲市場は今月7日に築地市場から移転予定だった。市場業者は、機材リースなど、移転にかかる費用が負担となっていた。

 同時に築地市場の補修や、移転ができない分、整備が遅れる環状2号線(通称・五輪道路)地下化の代替措置なども検討する。

 また、これまで1日、700万円とされてきた未開場の豊洲市場にかかる維持管理費の見直し額も公表。警備費が280万円から63万円に見直されるなどし、1日503万円とした。開場後は2100万円となる見通し。