22日、国内最大級の釣りイベント「ジャパンフィッシングショー2017」(神奈川・パシフィコ横浜)が閉幕した。3日間の来場者の総数は、3万8635人で、昨年比では101・35%で、2年連続の右肩上がりとなった。

 イベント事務局でも「今年は3日間通して、残り1時間になっても入場があった。増加した理由についても分析はしたい」と説明した。この日、静岡・焼津市から車で来場した親子は「やはり昨年と最終日に同じ午前6時に家を出て、開場30分前に到着。違ったのは、昨年はガラガラで楽に入れたのに、今日はすごい長い列になっていた」と話した。

 今回、昨年より増加した理由について、会場を訪れた東京湾の船宿の船長は「3日間、晴れたのがよかったし、風も吹いた。船が出られないから船宿もこの会場に何人も来ていた。お客も船に乗れないから来たという人が多いんじゃないかな」と解説した。フィッシングショーにとっては“カミカゼ”となったのか。

 バブル崩壊以降、釣り業界はサオを持つ年齢層が下降せず、釣り人口も上昇傾向になかった。それが、昨年12月に発表された「レジャー白書」では、釣り人口は前年の670万人から700万人に伸びて復活への兆しが見え始めていた。

 来場者数が、昨年を超えたことには、もう1つの意味があった。昨年は最終日にタレントのローラが来た。釣り好きの有名・著名人に贈られる「クールアングラーズ・アワード」表彰式でローラが来場したのだ。事前に情報公開されたこともあり、正午前から異常なほど来場者数が伸びた。2015年の来場者総数は3万4641人。昨年は3万8121人で、前年比は約1割増。「ローラ効果」と言われ、関係者は反論できなかった。

 今年は、目立った有名人が来場したわけではない。2日目に釣り好き俳優哀川翔が来場したが、事前に情報が漏れていないので動員には影響していない。「釣りガール」が増えたのは事実だ。ファミリー層もレジャーで食べられる魚が捕獲できることから釣りに興ずる機会も増えたようにみえる。来年のフィッシングショーは1月19日~21日に同所で実施される。2018年は4万人に王手をかけられるかもしれない。