東京都は1月31日、豊洲市場移転問題を審議する都議会の特別委員会で、過去9回あった地下水のモニタリング調査において、都の監督員が立ち会った記録を取っていなかったことを明かした。都議会共産党の曽根肇都議が立ち会い調査の回数を質問した際、中央卸売市場の担当者が「頻度の規定はなく、正確な記録は残ってない」と回答した。

 曽根氏は「聞き捨てならない。記録がないとは、立ち会ってないのと一緒だ」と断じた。環境基準の最大79倍に上る有害物質のベンゼンなどが検出された第9回以前の調査の一部を、土壌・地下水汚染対策を行った業者がそのまま請け負っていた問題も指摘し「自分たちで検査するなんて出来レースで、誰もが疑う」と主張した。

 都は第9回の調査結果を受けて1月30日から始めた再調査費用が約1000万円と公表。3月上旬まで実施し「専門家会議」が同月中に結果を審議。過去9回分の調査総費用は約65億円だった。都議会自民党で同委員会の山崎一輝委員長は地下水調査について「今の段階でしっかり安全と言えるものではないと思う。次の調査結果が重要だ」と述べた。