大阪府和泉市の集合住宅で住人の母親(76)と娘(41)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された無職杉平輝幸容疑者(51)と娘の社会福祉士村上裕加さんとの間に、借用書を作成する金銭問題があったことが2日、裕加さんの友人への取材で分かった。裕加さんが「別れてもらえない」と周囲に相談していたことも判明。府警は事件の背景とみて動機の解明を進める。
府警によると、容疑者は裕加さんの元交際相手とみられる。4月8日午前、和泉市の集合住宅一室で裕加さんの首などを刃物のようなもので刺し、失血死させた疑いがある。
捜査関係者によると、裕加さんは事件前、周囲に「別れたいが別れてもらえない」と話していた。友人の40代男性によると、裕加さんは容疑者の生活費を工面してきたが「怒って物に当たる」と悩んでいた。容疑者が100万円以上を借りたとする借用書を裕加さんが作成。3月には「借用書を渡して別れた」と話していたという。
友人は事件当日の4月8日未明に裕加さんと電話。午前4時前、突然「ドン」という大きい音がし、直後に電話が切れたという。心配になりLINE(ライン)でメッセージを送ったが、既読は付かなかった。
府警の発表では、容疑者は「持ってきた包丁で首などを複数回刺して殺した」と容疑を認めている。逮捕前の任意聴取では、母親の和子さんの殺害もほのめかした。捜査関係者によると、現場周辺の防犯カメラには容疑者とみられる人物が自転車で訪れ、数時間徘徊する様子が写っていた。
司法解剖の結果、裕加さんと和子さんにはそれぞれ上半身を中心に刺し傷などが10カ所以上あり、死亡推定時刻は8日午前4時ごろ。遺体発見時、玄関は無施錠だった。玄関付近や室内に血の付いた足跡があり、府警は容疑者が玄関を出入りしたとみている。(共同)

