巨人のユニホームが、来年1月から米屈指のスポーツ用品メーカー「アンダーアーマー」に変更されることが5日、分かった。日本総代理店である株式会社ドームと契約する。同社がプロ野球チームのユニホームを手がけることは初めて。老舗球団と伸び盛りのメーカーが、強力な日米タッグを組む。

 巨人の鎧(よろい)をアンダーアーマー社に託す。米メリーランド州に本社を置く同社は、創業が1996年と若い。米国のブランドらしく徹底的に機能を追求し、結果として生まれるデザイン性も極めて評価が高く、世界各国で急成長を遂げている。上下対称の曲線が独特なロゴは、スポーツ業界で市民権を得ている。巨人軍の伝統を踏襲しつつ、シャープでシンプルな、同社らしい解釈を加えた新ユニホームが生まれることになりそうだ。球界でも愛用者が多く、巨人では阿部、沢村が契約している。

 06年から9年間、アディダス社が巨人とオフィシャルパートナー契約を結んできた。ユニホーム製作はもちろん、トータルのサポートで友好関係を維持し、互いのブランドイメージを磨き上げてきた。球団創設80周年を終え、日本一を奪い返すシーズンになる2015年。お世話になったアディダス社との契約をひと区切りとし、伸び盛りのブランドと二人三脚で、新たなジャイアンツ像を構築する決断をした。

 スポーツとギア、取り巻く環境が大きく発展する。アンダーアーマー社が、プロ野球チームとユニホーム契約を結ぶことは初めて。同社の伝統的に強い分野であるアメリカンフットボール、サッカー、ラグビーなど、多種の競技で培ったノウハウを、効果的に還元するとみられる。同社の日本総代理店であるドーム社は、ウエア展開にとどまらず、アスリートの支援全般を網羅。国内最高峰のプロスポーツ組織とのコラボレーションは、無限の可能性を秘めている。新ユニホームがその象徴となる。

 ◆UNDER

 ARMOUR(アンダー

 アーマー)

 米ボルティモアに本社を置くスポーツ用品メーカー。96年、メリーランド大でアメリカンフットボール選手だったケビン・プランク氏(42)が創業。ブランド名は「セカンドスキン(第2の皮膚)」のように体に密着するという特徴的なウエアを、ユニホームの下(UNDER)に着用するアスリートが戦うためのよろい(ARMOUR)が由来。日本での主な契約選手は巨人阿部、沢村、オリックス金子、糸井。ボクシング村田、アルペンスキー皆川ら。