前メッツ石井、楽天8億円オファー保留
争奪戦の渦中にある前メッツ石井一久投手(32)の獲得交渉が7日、都内でスタートした。第1弾として楽天と初交渉し、球団最高額となる推定年俸3億5000万円プラス出来高、複数年契約を提示され、球団、現場挙げた熱烈ラブコールに心を動かされた。あまりのVIP待遇に「特別扱いしないでほしい」と異例の要望まで出した。恩師・野村克也監督(70)が直接出馬するであろう2度目の交渉の場に着くことも確約した。今日8日に日本ハムと交渉を行い、14日までに獲得を目指す全球団と交渉する。
交渉を終えた石井は、笑顔だった。集まった報道陣に“収穫”を伝えた。「球団も、現場も、フロントも、監督も、オーナーもいろんな方が僕を必要としてくれている。満足いく話ができました」。終始穏やかに進んだ約1時間の会談で、楽天の熱意にハートを揺さぶられたのは事実だった。
日本を離れている間に誕生した新球団について、純粋に知りたかった。島田社長には施設・環境面の問題や、球団が存続するのかといった疑問まで次々とぶつけた。「球団としてしっかりしたビジョンを持っている。いいチーム」が第一印象。記録的最下位に沈んだことには「一から頑張っているとこから自分の力も合わせていきたい人もいる。強い、弱いは関係ない」と問題視しなかった。恩師野村監督の存在も「慣れていますから、うまくやる自信がありますよ。やりやすい環境です」と歓迎した。
あまりの優遇ぶりに異例の要望まで付け加えた。2年総額8億円に、環境面などの全面バックアップも約束されたが「地域密着型のチームで特別扱いしないでほしい。東京と違って仙台の人たちは純粋な感覚を持っている。変な差をつけてほしくない」と語った。複数年などのオプションも含め、VIP待遇はあえて拒否。地域にチームに溶け込みたい考えで、移籍先の候補としての本気度もにおわせた。
獲得を表明してくれたことへの感謝と自信も伝えた。「最初に僕から言ったのは、日本に落ちぶれて帰ってくるんじゃない。結果を出せなかったら恥ずかしいし、自信がある。信用してもらって結構です」。近日中には楽天と2度目の交渉を行う。「興味がなかったら行きませんからね」。14日までに日本ハム、ヤクルトなど他球団と交渉を予定しているが、トップ交渉の楽天が好印象を植え付けたことは確かなようだ。【柴田猛夫】
[2006/1/8/09:45 紙面から]
写真=楽天との交渉を終え笑みを浮かべる石井
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