<親善試合:日本4−0カザフスタン>◇29日◇横浜国際総合競技場
日本のスピードスターが新エースに名乗りを挙げた。日本代表FW玉田圭司(24=柏)がカザフスタン戦の前半5分に05年の代表1号ゴールを決めると、後半15分に俊足を飛ばして豪快に2点目をマークした。海外からのオファーも固辞して迎えた勝負のシーズンで、レフティーFWが北朝鮮戦での先発奪取を猛烈アピールした。ジーコジャパンの通算成績は41戦23勝9敗9分け(PK戦は引き分け扱い)となり、2月2日にシリア(埼玉)と親善試合を行う。
カクテル光線に照らされた銀色の雨が、おどけて突き出した舌を心地よくぬらした。FW玉田が甘いマスクをくしゃくしゃにして喜んだ。後半15分、小笠原のスルーパスに反応し、カザフスタンのDFを一瞬で置き去りにして左足シュート。この日2点目が、スピードスターの真骨頂だった。
「今日はいい試合ができた。結果を出すことを一番に考えていたからうれしい」。W杯最終予選イヤーの初戦。海外組不在のカザフ戦に勝負をかけていた。開始5分、ゴール前のルーズボールに飛び込み胸トラップから右足でたたきこんだ。新エースに名乗りを上げる05年の代表1号。「いい時間帯に自分が(得点を)取れて、チームも乗れた」。FWとしての責任を果たし、チームに勢いを与えた働きに胸を張った。
秘めた思いがある。昨年3月の1次予選シンガポール戦から代表入りしたレフティーは、初先発のハンガリー戦で初得点。アジア杯でも3ゴールと連覇に貢献したが、定位置は「国内組」のレギュラー。FW高原(ハンブルガーSV)が招集されれば、ベンチ要員に追いやられる微妙な立場だ。その「図式」を今年は、自らの手で突き崩す。
昨オフ、フランスリーグ2部グルノーブルから「すぐに欲しい」とオファーを受けた。今季昇格できなかった場合は、他の1部クラブへ移籍させるという具体的な条件付きだったが、玉田は首を縦に振らなかった。その理由を関係者は「腰を据えて日本でプレーして、代表のレギュラーになるという気持ちがあったから」という。玉田もこの日「そんなに急いでいかなくてもいい。行くからには自分にあったチームを探したい」と言った。夢をかなえる前にW杯出場という大目標がある。それを日本のエースとしてつかみ取る。
北朝鮮戦にはライバル高原の招集が濃厚。「自分のプレーをやる以外ない。それ以上のことを求められてもできないから」と玉田は力を込めた。有言実行の2得点にジーコ監督は「ボールを持ってゴールに向かって運ぶ武器がある。味方にスペースをつくる動きもできている。満足なできだった」。勢いづいた玉田が高原から先発の座を奪い、北朝鮮の脅威になってみせる。【西尾雅治】
[2005/1/30/09:20 紙面から]
写真=前半5分、先制ゴールを右足で決めるFW玉田(撮影・宇治久裕)
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