前回ロンドン大会銀メダルの日本は、卓球女子団体準決勝でドイツに2-3と惜敗し、決勝進出を逃した。福原愛(27=ANA)がハン・イン(33)と戦った第5試合(シングルス)の最後は、ハン・インの放ったボールがエッジに当たり、4時間近い激戦はあっけなく終了。運にも見放され、悲願の金メダル獲得は消滅した。16日のシンガポールとの3位決定戦で銅メダル獲得に挑む。

 第5試合の最終ゲーム9-10。最後はエッジに当たって試合が終わった。福原はその現実を受け入れられなかった。負けを認めず相手選手との握手も拒んだ。審判が立ち去るまでの約3分。1度はベンチに戻ったものの、再び卓球台の前でラケットを握り、試合続行の意思を示し続けた。

 だが、敗因は自分たちにあった。1番手の伊藤は15歳の若さを露呈。最終ゲームで9-3とリードも相手強打で詰め寄られると動揺した。「何も考えられなくなってしまった」。ミスを連発して大逆転を許すと、再登場する3試合目まで控室で涙した。福原も最終ゲームで9-7とリードしたが「相手がわざとチャンスボールを浮かせてきたところを、コースを狙いすぎてミスしてしまった」。相手の術中にはまった。石川の貴重な2勝を、勝利につなげられなかった。

 福原は「負けた原因は全て私にある。ものすごく悔しいですけれど、とりあえず(悔しさを)置いて次に向かいたい」。伊藤も「とにかく3人で力を合わせて強気でいきたい」と言葉を絞り出した。石川も試合途中から左肩にアイシングを行うなど満身創痍(そうい)の状態。3位決定戦までは中1日。心と体を整え、メダルへの最後のチャンスは逃さない。【鎌田直秀】

 ◆エッジの判定

 卓球台平面の端のことで、少しでも触れれば「イン」。相手ボールが側面だけに当たれば「アウト」となる。五輪仕様の台は角の部分から4センチは直角だが、その下は斜めに7センチ分カットされているため、どの角度から当たっても側面の場合、真横より上にボールが跳ねることはない。