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ジュピタG1初挑戦で大仕事/天皇賞

ゴール前でアドマイヤジュピタ(手前)はメイショウサムソンに競り勝つ
ゴール前でアドマイヤジュピタ(手前)はメイショウサムソンに競り勝つ

<天皇賞>◇4日=京都◇G1◇芝3200メートル◇4歳上◇出走14頭

 アドマイヤジュピタ(牡5、栗東・友道)が天皇賞3連覇を狙った同世代の2冠馬メイショウサムソンを下し、G1初挑戦でビッグタイトルをつかんだ。まさかの出遅れにも慌てず、サムソンをマークしながら後方に待機。最終4角から早めの抜け出しを決めた。友道康夫師(44)もG1初勝利。4頭出しをかけたアドマイヤ勢の執念が実った。

 伝統のタイトルに向け、岩田康誠騎手(34)は懸命に愛馬の首を押した。直線外から早めに抜け出したジュピタだが、先頭に立つとソラを使い、頭を上げた。右後ろだったメイショウサムソンのプレッシャーが、真横まで迫る。「何とかしのいでくれ。あー、まずい!」。観念しかけたところがゴールだった。「勝ったよな?」。半信半疑で独り言をつぶやくと、武豊に「おめでとう」と声をかけられた。ターフビジョンに映る自分を見た瞬間、勝利を確信。馬上で立ち上がり、観客に向けて人さし指を高々と掲げた。

 3200メートルのスタートは驚きから始まった。一番後入れの大外14番。ゲートの中で待たされることを嫌うジュピタにとっては絶好の枠だった。だが、発馬は14頭で最も遅かった。岩田もびっくりの、まさかの出遅れ。観衆のどよめきがこだまする。長丁場とはいえ、好位からの競馬が持ち味のジュピタにとっては致命的ともいえるロスだ。「2、3番手に付けようと思っていた。正直、やってしまったと思った」。だが、そこからが感覚派の岩田の真骨頂だった。「もう開き直った。馬も折り合ってくれたし、ちょうどサムソンの後ろにつけることができたので目標にした」。想定外の展開にも自然体で対処し、絶妙のロングスパートでいったん遠ざかったチャンスをものにした。

 前走の阪神大賞典を制した後から「今年はこの馬で年度代表馬を取る」と宣言していた。06年3月のゆきやなぎ賞を勝った感触は、今でも忘れていない。「ダービーでもチャンスがあると思ったぐらいだから」。その後に骨折し、長期休養を挟むことになったが、能力を信じて疑わなかった。そのときに手術した右後肢には、いまだにボルトが埋め込まれている。「故障してもよみがえってくれた。あんな形の競馬ができたのは大きな収穫。次は、また成長したジュピタを見せられると思う」。人馬のきずなは、さらに深まった。

 この後、宝塚記念には向かわず休養に入る。今年から天皇賞(春)優勝馬は豪G1メルボルンCへの優先出走権を得ることなっており、秋の照準はそこに置かれることになった。岩田にとっては06年にデルタブルースで制したゲンのいいレース。最も信頼するパートナーと、次はオーストラリア伝統のタイトルを奪いにいく。【高木一成】

 [2008年5月5日8時1分 紙面から]


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