<W杯アジア最終予選:サウジアラビア1-0日本>◇B組◇6日◇サウジアラビア・ジッタ

 日本は中盤でのボール奪取回数が、オーストラリア戦に比べて減っていた。日本を研究したサウジアラビアが中盤を省略したため、監督が目指す「高い位置での奪取&ゴー」が機能しなかった。W杯では相手は間違いなく日本を研究してくる。その時のオプションとして右FWの本田を中盤の右で起用することを提案したい。ボランチが本職の選手より守備力は劣るが、それを補う視野の広さ、シュート力、メンタルの強さがある。特に行き詰まった時のミドルシュートはチームに活力をもたらすだろう。

 2カ月ほど前、本田に聞いた。「代表で生きる道として、インナーハーフ(中盤の左右)なら力を発揮できるのでは?」。本田の答えは「僕も考えてます」だった。スピードと運動量を必要とする右FWより1つ下がった位置の方が生きる。広角にパスも出せるし、攻撃の強弱もつけやすい。

 それにしてもハリルホジッチ監督は、なぜ本田、岡崎らベテラン組を先発で使ったのだろう。厳しいアウェー戦で、久保や杉本ら若手に経験を積ませる貴重なチャンスを生かせなかったことは、残念だ。(日刊スポーツ評論家)