浦和が「クロス大国」に生まれ変わった。Jリーグ公認データ「スタッツスタジアム」によると、今季の浦和のクロス数は1試合平均18・7本でリーグ最多。昨季はリーグ13位の14・5本だった。もちろん量だけでなく質も高まり、シュートに直結したクロスは、昨季の1試合平均1・3本から今季はリーグ1位の2・8本に倍増だ。

 4-1で大勝した前節16日の東京戦では、チーム4得点のうち3点をクロスから挙げた。左サイドの宇賀神は自身初の1試合2アシスト、右サイドの関根もクロスで1アシストを記録した。今季の「シュートに直結したクロス数ランク」でも宇賀神が1位で、関根が3位につける。この両翼の躍動もチームのクロス数が増えている理由だが、昨季との違いは肝心のゴール前にも見られる。

 クロスが上がるとき、エリア内に浦和の選手が次々と進入する。東京戦での宇賀神の2アシスト目は象徴的で、クロスが上がったときには計4人がゴール前に飛び込んでいた。クロスに合わせる選手の動きの質が格段に高まり、昨季不発だったサイド攻撃が威力を発揮。リーグ最多の21得点を挙げ、首位を独走する。【石川秀和】