「データが語るJリーグ」では昨季に引き続き、「スコアポイント(SP)率」のランキング表を発表します。SP率とはゴールとアシストを合算して日刊スポーツが独自に算出する「攻撃の総合評価指数」で、1試合フル出場した場合、どれだけゴールに関わったかを示します。4節終了時でSP率4位の川崎FのMF中村憲剛(35)は自身初の年間2桁得点、2桁アシストを達成しそうな勢いです。

 中村が絶好調だ。今季は開幕から4試合にフル出場し3得点2アシスト。その2つを合算した「スコアポイント(SP)」は今季リーグ最多の5Pとなる。1試合90分平均に換算するとリーグ4位の1・25P。これは自己最多16P(10得点6アシスト)を記録した06年(0・48P)の倍以上の数値だ。

 12日の名古屋戦ではJ1通算50得点に到達し、FW大久保の歴代最多タイとなる158点目もアシスト。19日の甲府戦では自身5年ぶりの1試合2得点を挙げた。35歳のベテランMFがゴールに絡み続け、チームもクラブ史上初の開幕4戦負けなし。7年ぶりに単独首位を快走する。

 一撃必殺のスルーパスやピンポイントのクロスは健在。その上、今季は自らも積極的にゴールを狙う。90分平均のシュート数は昨年の0・9本から今季は2・0本に倍以上も増加。そのシュートも確実に枠を捉えており、コンディションの良さがうかがえる。

 このままの勢いなら、川崎FではFWジュニーニョ、FWレナトに次いで3人目、クラブの日本人選手では初となる「年間10得点10アシスト」の可能性も十分。その記録達成の先には、川崎Fの初タイトルも見えるはずだ。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

 ◆SP率 1試合フル出場した場合、どれだけゴールに関わったかを示す攻撃の総合評価指標。ゴールとアシストを合計した「スコアポイント」を1試合90分平均に換算し、規定出場時間を設けてランク付け。規定は「チーム試合数×46分」。46という数字は1試合の半分以上の46分に出場したという意味での係数。