スペイン、カナリア諸島にある同国2部のテネリフェに移籍した柴崎岳選手は、日本人が適応に苦しんできたスペインで成功をつかむことができるのでしょうか。

 日本のサッカーファンが抱いているのと同じような視線が、アジアの各国から今季のJリーグに注がれることになりそうです。

 Jリーグの開幕が近づいてきました。13日には都内で恒例のキックオフカンファレンスが行われました。J1、J2、J3各クラブの監督と選手1名ずつが勢ぞろい。ユニホーム姿で新シーズンの訪れをアピールしました。

 その中に、来日したその足で駆け付けたカンボジアの英雄、チャン・ワタナカ選手(23)がいました。J3藤枝に加入し、今季からJリーグでプレーします。

 壇上でスポットライトを浴びあいさつ。「Jリーグはアジアで一番レベルの高いリーグ。このチャンスを生かし、しっかりと日本で技術と知識を学び、カンボジアに伝えたい」と意気込みを語りました。

 ワタナカ選手は、カンボジアのメッシともいわれる、同国のスター。CMにも出演するなどし、カンボジア代表としても15年11月のW杯アジア2次予選日本戦(カンボジア)に背番号11で出場しています。

 この他にも、今季JリーグにはJ1札幌への加入が内定しているタイの至宝、タイのメッシこと、チャナティップ・ソングラシン選手(23)もいます。こちらは7月に登録予定。1月の札幌での加入会見は、Jリーグによれば東南アジアを中心に28カ国で報じられたとのことです。

 タイ代表の主力でもあり、日本と同組のW杯アジア最終予選では3月に来日し、埼玉での対戦が濃厚です。

 今季から外国人枠を拡大したJリーグには「提携国枠」があります。カンボジアやタイは提携国のため、2人は外国人選手として取り扱われず、制限なく出場できます。チャンスは広がりそうで、楽しみは膨らみます。

 国を背負って、覚悟を持ってJリーグにやって来る選手たちのプレーも、今季の見どころの1つとなりそうです。

 Jリーグの開幕はJ1が2月25日、J2が翌26日、J3は3月11日です。


 ◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。日本サッカー協会やJリーグなどを担当。