高校サッカーの名門静岡学園からGK山ノ井拓己(18)が、J2福岡に加入しました。1年生から正GKとして活躍したルーキーは次代の日本代表を担う逸材として期待されています。

 山ノ井は中学時代、千葉ジュニアユースでプレーしていました。ユースへの昇格も確約されていたそうですが、「環境を変えて勝負してみたかったので」と、名門校の門をたたきました。入学時から頭角を現すと、夏以降に先発に定着。1年生ながら冬の全国高校サッカー選手権に出場し、3回戦ではその年の全国総体王者・東福岡を無失点に抑えて8強入りに貢献しました。山ノ井いわく「その試合で人生が変わりました」。同試合が視察していた福岡スカウトの目に留まり、Jリーガーになる夢をかなえたのです。

 実は静岡学園の「1年生GK」にまつわるエピソードがあります。同校は過去2度、全国高校サッカー選手権決勝に進出。初出場で準優勝した76年度はGK森下申一氏(56=現G大阪GKコーチ)が正GKとして出場。鹿児島実との両校優勝を果たした95年度はJ2横浜FC・GK南雄太(37)がゴールを守っていました。1年生GKとして活躍した2人は、後に日本代表に選ばれています。

 山ノ井の当面の目標は「東京五輪に日本代表として出場すること」。そのためには「まずはしっかり福岡でスタメンを勝ち取り、J1昇格に貢献したいです」と意気込みを語っていました。

 現在は日本高校選抜候補にも選出され、今後は強化合宿などに参加して4月のデュッセルドルフ国際ユース大会のメンバー入りを目指しています。偉大な先輩の背中を追うルーキーの今後の活躍に期待しています。

 ◆神谷亮磨(かみや・りょうま)1985年(昭60)8月28日、静岡市清水区生まれ。幼稚園からサッカーを始め、高校は東海大静岡翔洋(旧東海大一)でプレー。08年入社。担当は11、12年にJ2磐田、13、14年にアマチュアサッカー、15年から清水。