<高校サッカー:近大和歌山2-1北海>◇12月31日◇1回戦◇駒場

 北海が全国の壁に泣いた。昨年度ベスト16の近大和歌山(和歌山)に1-2と惜敗した。前半13分に先制点を奪われながらも同27分にオウンゴールで同点。その後も攻め立てたが、ロスタイムにセットプレーから決勝点を許し、力尽きた。得意のショートパスで圧倒的にボールを支配しながらも、決定力の差が響いた。出場2大会連続で初戦敗退を喫し、4年ぶりの1勝はならなかった。

 北海イレブンがピッチに崩れ落ちた。試合終了後、整列を終えると、GK福永はピッチ中央に右手袋をたたきつけた。FW東海らは芝生にうずくまった。イレブンは300人が陣取った北海応援席に猫背であいさつするのがやっとだった。島谷制勝監督(39)は「最後の5分というサッカーの醍醐味(だいごみ)の時間でやられた。向こうのほうが試合巧者だった」と振り返った。

 まさに、ロスタイムの悲劇だった。1-1の後半ロスタイムに入った直後。左CKからフリーでDF徳田に合わせられた。痛恨の決勝点を献上。DF兼子主将は「もう少し体を寄せていれば…」と失点したワンプレーを反省した。自慢のショートパスがつながり、ゲームは支配した。シュート数も相手より3本多い10本を放った。しかし、ゴールという最後の詰めが、北海に味方しなかった。

 イレブンは島谷監督から「最初の5分、ラスト5分はしっかりやれ」と口酸っぱく言われてきたからこそ、余計に悔しかった。試合前日、ホテルの大部屋でゲキが飛んだ。「サッカー人生は短い。高校サッカー以上に燃えることはないかもしれない。集大成を見せてくれ」。選手たちは島谷監督の気持ちに応えたかったが、最後に一瞬のスキを突かれた。

 目標は同校最高成績のベスト16(04年度)を上回るベスト8だった。08年から3年生を中心に選手たちで定期的にスローガンを立てた。冬から春は自主性、春から夏は追求と決めた。道予選まで公式戦30勝2敗と道内では1敗しかせず、結果を出してきた。だが、今大会前に決めた目標はかなわなかった。

 GK福永は「新チームになってから例年やっていないことも取り組んできた。今までの北海とは違ったと思う」と、目を真っ赤にしながらもここまでの過程に後悔はなかった。先輩たちの思いは、後輩たちに受け継がれる。【長島一浩】