<高校サッカー:市船橋2-1四日市中央工>◇9日◇決勝◇国立

 四日市中央工(三重)は市船橋(千葉)に延長戦の末、敗れた。

 ベンチ裏で試合終了の笛を聞き、MF国吉祐介主将(3年)の胸には負けた悔しさと、仲間に恵まれたうれしさが込み上げてきた。「みんなと戦いたい気持ちはもちろん強かったが、良い仲間に囲まれた3年間でした」。準決勝で今大会2枚目の警告で出場停止。この日、前半は控え組3年生とスタンド応援。ハーフタイム後はベンチメンバーと一緒に勝利を祈った。

 幼稚園からボールを追い掛け、遠足先の動物園で消火器をイタズラする好奇心旺盛な少年は、千葉県から三重県に“留学”した。「終わった瞬間は一番厳しかった静岡合宿の砂丘トレを思い出しました」。

 試合前、準決勝まで履いたスパイクに寄せ書きされ、ベンチに17番のユニホームとともに飾られた。「このスパイクも仲間も最高の宝物です。1、2年生は来年必ず優勝してほしい」。両チームの主将は最後の決勝で明暗を分けた。だが、「ヨンチューコー」の主将は笑顔で国立を後にした。