日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)がアジア杯(来年1月7日開幕、カタール)に向け、「伝家の宝刀」3-4-3の布陣を新オプションにする。29日、大阪府内での合宿で、就任以降初めて3-4-3の布陣を指導。95年から3シーズン指揮したウディネーゼ時代にイタリアサッカー界を驚かせ、自身の代名詞とも言える布陣を日本代表に導入。10月の親善試合2試合で採用した4バックと3-4-3を併用し、アジア制覇への布石を打つ。
気温8度、寒風が吹きすさぶ練習場に、ザッケローニ監督の指示が響いた。突然、導入した3-4-3。「伝家の宝刀」を抜いた指揮官は「(3-4-3は)オプションとして考えている。3バックも4バックも変わらない。意識しすぎるな」と選手に呼びかけた。
センターバック(CB)を務めた吉田や槙野を呼び寄せ、細かい指示を送った。守備時に内田、長友ら両サイドのMF2人が下がりすぎ、CB3人を含め5人で守る状態になることを懸念。「CB3人と片方のサイドバック1人の4人で守るように」と強調した。
「3バックに関してはオプションとして試している。カタール入りしてからは(今までの)4バックで調整するが、3バックのオプションがあるというのは大きいこと」。ウディネーゼ時代に自分の名前を世に知らしめた布陣を、大会本番で柔軟に使い分ける。
CBは中沢、闘莉王、栗原が故障で招集できず、国際経験の少ない選手で構成せざるを得ない状況。「チーム作りは当然、守備から固めていく。CBは故障者が多い分、組織でやっていきたい。今回のCBは初めて(コンビを)組むメンバーになるだろう」。この日の午後の練習は、2組のグループに分け、1時間以上の時間を割いて交互に3-4-3の指導を行った。右CBを務めた吉田が「今は確認しながらやっている。新しい布陣で新鮮だった」と話したが、ピッチ上で選手が監督に次々と疑問をぶつけ、戦術理解に努めた。
ザッケローニ監督は「(日本代表は)選手の駒としては、3バックも4バックもできると思う」と話し、今後の状況次第では3バックをメーンに据える可能性も示唆。「私のドレス」と形容したこともある3-4-3を駆使しつつ、イタリア屈指の戦術家が日本をアジアの頂点に導く。【菅家大輔】

