日本サッカー協会が、日本代表の次期監督の最有力候補、前アルジェリア代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(62=ボスニア・ヘルツェゴビナ)に推定年俸200万ユーロ(約2億7000万円)の条件を用意していることが25日、分かった。期間はW杯アジア最終予選が終了するまでの約2年半で、18年W杯ロシア大会までのオプション付き。この日、出張先のインドから帰国した大仁邦弥会長(70)は都内で霜田正浩強化担当技術委員長(48)と会談し、ハリルホジッチ氏ら技術委員会が推薦した監督候補者を了承した。霜田委員長が再出国して本格交渉に入る見通しだ。

 日本協会は、ハリルホジッチ氏との本格交渉に向けて推定年俸200万ユーロ(約2億7000万円)の条件を用意した。昨年のW杯ブラジル大会で、下馬評の低かったアルジェリアを率いてベスト16に導いた手腕を高く評価。同氏の獲得には、複数のクラブチームや代表チームなどと競合する可能性がある。近く欧州に渡る見通しの霜田強化担当技術委員長が、交渉の際にアルジェリア代表監督時代の3倍近くとみられる年俸を提示し、日本協会としての誠意を示す。

 さらに提示する予定の契約年数は、W杯ロシア大会のアジア最終予選が終了するまでの約2年半となる。日本のW杯2次予選は今年6月からスタートし、16年3月29日まで。日程が未定の最終予選には12カ国が進出し、6チームずつの2組に分かれてホームアンドアウェーで行われる。アジア予選を勝ち進みながら、長期的な展望のもとに本大会を見据えた強化を進め、最終予選を突破した場合は、新たにW杯ロシア大会までの1年数カ月間の契約を結ぶ用意がある。

 大仁会長は出張先のインドから帰国したこの日、「W杯予選を勝ち抜くことが一番」と話し、3月27日と同31日の国際親善試合の指揮を任せるかについては「ビザなどの関係もあってまだ分からない。間に合えば、ということ」とあらためて語った。同会長は契約締結をゴールと仮定した上で、現状については「まだまだ。最終的なところまでは、相当難しいこともある」と、詰めの作業へ向けて気を引き締めた。