日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(62)は11日、東京・味スタ西で行われた高円宮杯U-18プレミアリーグ東地区の開幕戦、JFAアカデミー福島-清水ユース戦を視察した。

 小雨が降る中、キックオフ30分前に会場入り。日本協会のスタッフとともに、熱い視線をピッチ上に送った。好プレーに拍手を送る場面もあったが、試合の表面をみていたわけではない。「日本のサッカーがどうやって発展してきたのかを見るため」と説明した。

 A代表の監督を任されているが「ベースでの仕事が大事。すべての年代で向上しないと」と改革の必要性を強調。すでに6日の年代別代表スタッフを集めた会議で、日本人選手の長所と短所を説明。今回育成世代の現場を直接見たことで、実情を踏まえて、さらに改革案を煮詰めていく。

 熱意と声はこの日を待たずに、すでに育成世代に伝わってもいた。清水ユースのU-17日本代表DF梅村豪は「縦に速いサッカーを求めているというのは、新聞やテレビで知っていた。上を目指すために、自分も普段からそういうプレーを意識している」と言った。2得点を挙げたMF福井も「球際が弱いとおっしゃってると聞いたので、筋トレをして強くなろうと心掛けている」とうなずく。

 育成世代の改革は、自身の実績にかかわる18年のロシアW杯のためだけでなく、さらにその先も見据えたものだ。魔術師は日本のサッカーを、本気で向上させようと思っている。足を運び、声を上げ続けることで“ハリル・イズム”を着々と全年代に広める。【塩畑大輔】