W杯アジア2次予選に臨む日本代表が8月31日、埼玉県内で合宿を開始した。

 MF柴崎岳(23=鹿島)も遠慮しない。初日の練習を終え、今回の代表活動で「徐々に色を出す」ことをテーマに設定した。これまで、ハリルホジッチ監督から戦術理解度の高さを評価されてきたが「理解した上で個のアイデアを出していければいいのかな」と、プラスアルファを模索する。

 きっかけは東アジア杯(中国・武漢)の不完全燃焼だ。国内組のエースとしてフル回転を期待されたが、左足の故障明けで先発1回にとどまり、最下位に沈んだ。大会を通じて「ピッチに入るのは選手」と再確認。就任半年の監督が主導権を握る中で「最初は仕方ないけど、中の選手がいろんな状況に反応しないといけない」と自立を意識した。

 昨年9月9日ベネズエラ戦で国際Aマッチ初出場。鮮烈なデビュー戦ゴールを決めてから1年がたった。海外組がいる中で先発を任された6月のシンガポール戦は、まさかの引き分け発進。未体験のW杯予選1勝へ「個人的には、もっとアグレッシブにプレーしたい。自分たちの手で変えていく。自信を持って挑みたい」と静かな口調で熱く宣言した。【木下淳】