U-19日本代表がタジキスタンを4-0で下し、5大会ぶりとなるU-20(20歳以下)W杯(来年5月20日開幕、韓国)の出場権を獲得した。これで予選から含め7試合連続無失点を記録。過去39大会のうち全試合完封で優勝したのは、64年と72年のイスラエルのみ。目標を44年ぶり史上3チーム目の「全試合完封V」に上方修正し、2020年東京五輪への弾みをつける。27日(日本時間28日)の準決勝はベトナムと対戦する。

 10年ぶりに世界の扉を開いた東京五輪世代が、次は44年ぶりの偉業に挑戦する。過去4大会連続で敗れていた鬼門の準々決勝は、隙を見せない完封勝利。センターバックのDF中山、DF冨安を中心にタジキスタンにチャンスを作らせなかった。センターバックで全試合で先発する中山は「今まで自分たちが積み重ねてきたことの結果だと思う。ここまで4試合全て無失点に抑えられていることも、とても良いことだと思う」。準決勝に残った4チームで1次リーグから7試合連続無失点は日本だけだ。

 目標はU-20W杯切符から、一気に上方修正された。中山は「このまま無失点で優勝を目指して頑張っていきたい」と照準を定めた。過去39大会、全試合無失点で優勝したチームは、64年(4試合)、72年(6試合)のイスラエルだけ。MF坂井も「日本はU-20W杯に(09年大会から)4大会出場していないので、自分たちがその歴史を変えられてうれしい。引き続き優勝を目指しチーム一丸となり頑張っていきたい」と意気込む。

 次は新たな歴史を塗り替える戦いに挑む。16強に進んだ02年W杯日韓大会、10年W杯南アフリカ大会は1次リーグ3試合で2失点だった。堅守は日本が世界大会で上位進出する上で必要最低条件でもある。東京五輪では守備力が光る今大会のメンバーが軸となるだけに、期待は高まる。

 世界で場数を踏むという点でも、U-20W杯の切符を取った意味は大きい。日本は東京五輪で開催国枠として出場するため、五輪予選は免除される。この世代にとってU-20W杯は、20年までに開催される唯一の国際サッカー連盟(FIFA)の世界大会となる。この舞台を逃していたら、世界の緊張感を体感しないまま、五輪に臨む事態だった。内山監督は「継続して同じサッカーをしてきた結果がこういった形で実り良かった」と話す。W杯出場の最低限のノルマは達成した。次は世界の頂点を取る準備を進めていく。

 ◆U-20W杯 05年大会まではワールドユース選手権だったが、07年大会から現大会名に変更。77年に第1回大会がチュニジアで行われ2年ごとに開催。97年マレーシア大会から各大陸の予選を突破した23カ国と開催国の24カ国が参加している。出場できるのは開催年1月1日付で20歳未満の選手。79年の第2回大会は日本開催。最多優勝はアルゼンチンの6度。日本は99年大会でMF小野、FW高原らを擁して準優勝。第21回は韓国6都市を会場に来年5月20日に開幕し、6月11日に決勝が行われる。