女子アジア杯で初優勝を果たしたなでしこジャパンのMF川澄奈穂美(28=シアトル・レイン)が27日、成田空港発の航空機で米国へ向け出国した。酷暑のベトナムで無尽蔵のスタミナを発揮し、1得点2アシストを記録。アジア女王として、胸を張って所属チームに戻った。

 アジア初制覇からわずか2日での渡米にも「準備バッチリです」。川澄の表情に、疲れは見えなかった。豊富な運動量の秘訣(ひけつ)を問われると「ボールをさわるのが楽しいからですかね。ワクワクするから」と笑顔で答えた。

 現地では名物「フォー(米麺)」を「フォー抜きで、野菜スープみたいにして毎日食べていました」と独特?

 な食べ方で体調管理。延長120分を戦った準決勝中国戦の翌日も体重は減らなかったという。渡米を前には食品メーカーからは大量の鍋の素を贈られ「数えたらちょうど(レンタル移籍期間が終わる)8月まであった」とにっこり。米国で毎日のように食べる食事の心配は吹き飛んだ。

 アジア杯優勝でW杯を直前に控える男子代表へ弾みをつけたが、出国後に行われた男子代表の壮行試合キプロス戦中は機上の人に。「(男子)代表を見るときは、ただのファンなんです。W杯はいろんなドラマが生まれると思うし、男子には最高のドラマを期待しています」とエールを送った。

 キプロス戦勝利の吉報を知るのは、試合終了数時間後。自身もアジア、そして世界女王として、来年の女子W杯が待ち受ける。まずは9月のアジア大会へ「この優勝がマグレと言われないように頑張りたい」と、決意を胸に、航空機に乗り込んだ。