<J1:神戸2-1G大阪>◇第8節◇27日◇ホムスタ

 神戸の日本代表FW大久保嘉人(25)が、完全復活の2得点を挙げた。前半39分に頭で先制弾。同点にされた後半12分にはDF2人をフェイントでかわす強烈な決勝ゴールで、G大阪を2-1で破った。2月12日に右ひざを手術して以降、公式戦1得点だけだったが、日本代表の岡田武史監督(51)が視察する中で全快をアピール。6月のW杯アジア3次予選4連戦を前に、日本のエース候補が調子を取り戻した。

 大久保が、呪縛(じゅばく)から解かれた。最大の見せ場は同点にされた後半12分。ボッティからの縦パスをDF2人に囲まれながら受ける。一瞬の切り返しで振り切ると、スライディングをものともせずに、右足で決勝ゴールをたたき込んだ。前半39分にも頭で先制弾を挙げ、昨年9月22日名古屋戦以来となる2ゴール。日本代表の岡田監督が視察する前で、復活を見せつけた。

 「同点に追いつかれて、またこのまま(悪い流れ)なのかと思いましたけどね。おれがいいっていうより、今日はガンバが悪かっただけかも知れないよ」。

 苦しんだ。2月12日に右ひざ手術を受けながら、3月26日のW杯予選バーレーン戦に間に合わせたが、本来の姿とはほど遠かった。代表も含め、手術後の公式戦で挙げた得点は3月15日川崎F戦の1点だけ。普段は弱音や痛みを絶対に周囲に漏らさない大久保が、この日は右ひざにテーピングを施していた。結果が出ない分、精神的にも弱さが出ていたのかも知れない。

 実は同じ境遇の男から勇気をもらっていた。4月中旬、知人を通じプロ野球の阪神林威助に会った。林も昨年12月に右肩手術を受け、来月の復帰を目指している。必死に故障と闘っている姿に自分をダブらせ「おれも頑張らないと駄目」と刺激を受けていた。

 大久保の活躍で、5年ぶりにG大阪に勝った。松田監督は「まさしくエース。そういう仕事をやってくれた」と絶賛した。完全復活を示す2得点は、神戸にとっても、日本代表にとっても朗報になった。【益子浩一】