<国際親善試合・キリン杯:日本4-0ベルギー>◇5月31日◇国立
岡田武史監督があえてチームにカツを入れた。2点リードで迎えたハーフタイム。選手たちに向け、あえて声を荒らげた。「何のためにこの試合をやっているんだ!
ウズベキスタンに勝つためにやっているんじゃないのか!」。楽勝ムードのロッカールームに、張り詰めた空気がみなぎった。
「前半20分まではいいリズムだった。その後はペースダウンした。8割くらいの力でいいだろうという感じ。パスは出しっぱなし。ボールにも寄せない」。終始日本がパスをつなぎ、決定機を生み続けているようにもみえた。だが経験豊富な岡田監督は、たとえわずかな気の緩みでも、W杯予選での命取りになりかねない、と感じていた。
大黒柱も岡田監督の意図を察知した。MF中村俊輔(30=セルティック)は、完勝にも「手ごたえというのは、相手が強くないと得られない」と冷静に振り返った。右股(こ)関節痛を抱え、前半45分だけプレー。同16分、右サイドをドリブルで独走し、敵陣深くからグラウンダーで斜め後方へクロスを出した。ゴール前での空中戦に備えていた相手をあざ笑うように、後方から走り込む岡崎の足元に合わせた。
得点にこそ結びつかなかったが、このプレーに象徴されるように、スピードや連動性を生かし、ウズベキスタン守備陣を崩すイメージは、確かにできた。しかし「これからどうやって、ウズベキスタンを想定した練習をやっていくかが大事」と、慢心を戒める。「ウズベキスタンに入って1発目の練習から、ガリガリやっていきたい。ちょっとしたミスでも、笑えないような雰囲気をつくる」とまで言い、引き締めにかかっていた。【塩畑大輔】

