<キリンチャレンジ杯:日本1-0パラグアイ>◇4日◇日産
日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が、本格的な「品定め」に着手した。初陣となるアルゼンチン戦(10月8日、埼玉)に向け、パラグアイ戦で日本イレブンの動きをチェックした。メーンスタンドのVIP席で観戦し、試合後は選手個人の評価には触れず、自分が指揮を執るまでは「観察」に徹することを明言した。グアテマラ戦(7日、長居)など、今後も選別作業を続け、10月初めにはザックジャパンがスタートする。
核心には触れなかった。ザッケローニ監督は試合後、気になる選手の個人評価の質問は受け付けなかった。インタビューの前に、日本協会スタッフが「選手個人に関する質問は遠慮してください」と前置きした後、インタビュールームに登場した。「印象に残ったシーンは?」と聞かれると「試合終了の笛が鳴るまで、チームとして機能したことです」と当たり障りのない返答で、最後まで選手個人名を出すことはなかった。
就労ビザが下りず、直接指揮が執れない9月の2試合は「観察」に徹する構えだ。試合後宿舎でも「選手に声を掛けることはありません。それは原さんがケアすること。僕がもし声を掛けるとしたら、非常にいい試合だったと言うくらいです」と控えめ。この日は眼鏡を掛けて、メモを取りながら、日本イレブンに鋭い視線を送った。日本協会スタッフによると、宿舎の食事会場でも選手の振る舞いをじっくり観察しているという。
日本協会とは3日、正式に契約書にサインした。今後、グアテマラ戦までチームに帯同し、家探しなどを終えた後、9日にイタリアに帰国する。就労ビザ取得が見込まれる20日前後に再来日し、Jリーグやクラブの練習を視察し、10月初旬のザックジャパン始動に向けて、代表メンバー以外の原石探しにも着手する予定だ。
ザックジャパンの始動は1カ月後になるが、ファンの期待は高まるばかりだ。新監督を発表する前までは、前売り券が3万5000枚しか売れなかったが、発表後急激に売れ行きが伸び、この日は6万5157人が日産スタジアムを埋めた。試合前に会場の大型ビジョンで「新監督のアルベルト・ザッケローニです。新しいアドベンチャーが始まります。みなさんの温かい気持ちを持って、いつも私たちのそばにいてください」。イタリア語で語り掛ける新監督へ、満員のスタンドから惜しみない拍手が送られた。
「今は情報を集める段階です。前の監督がいい仕事をしたので、僕はこの状況に慣れることが先です」。新指揮官は、最後まで本音を言わなかったが、A4用紙2枚のメモ帳は、イタリア語でビッシリ埋まっていた。今は観察の段階。ザッケローニの答えは、10月初めのメンバー発表で明らかになる。【盧載鎭】

