<ロンドン五輪アジア2次予選:日本1-2クウェート>◇第2戦◇23日(日本時間24日)◇クウェート・モハメドアルハマドスタジアム
甘すぎるぞ!
5大会連続五輪出場へ、関塚ジャパンに課題が噴出した。U-22(22歳以下)日本代表が、同クウェート代表にアウェーで逆転負けを喫した。前半21分にDF酒井宏樹(21=柏)が先制点を挙げたが、後半立て続けに失点。1993年のJリーグ発足後初めて最終予選前に黒星を喫した。体力、暑さ対策、審判への対応など、あらゆる面で甘さを露呈。2戦合計4-3で9月からの最終予選進出は決めたが、中東勢最大3カ国と同組になる可能性もあり、大きな不安を残した。
あまりの暑さに、最終予選進出の歓喜もかき消された。試合後、選手たちの顔は、異様に赤かった。気温は試合開始直後で39度、終了後も35度超の異次元の世界。心から笑顔を浮かべられた選手はわずかだった。FIFAランク101位の格下国に逆転負け。関塚監督は「このままでは最終予選の力強い相手に勝てない。アウェーで勝ち点0になってしまう」と嘆いた。
勝つしかないクウェートの序盤からの猛攻を受け止め、前半21分にDF酒井宏が先制点を奪った。しかし、酷暑に予想以上に早く足が止まった。後半5分にセットプレーから失点。集中力も欠き、同14分にはDF鈴木がPKを献上して逆転された。GK権田は「みんなギリギリのところで戦っていた」。3点目を奪われれば延長戦になるところを、辛うじて逃げ切った。
2日前に試合開始時間の午後7時過ぎから練習した。気温は40度を超えていたが、選手らは「意外に大丈夫」と軽く考えていた。22日の練習後にMF東とGK安藤が熱中症のような症状を訴えた。試合中は「倒れたら水を飲むためにしばらく立たない」と確認、小まめに水を飲み、氷水につけたタオルで体を拭いたが、効果は薄かった。「こんな発汗のない暑さは初めて」(関塚監督)。日本は「中東の猛暑」は過去も経験している。日程的な難しさもあったが、2次予選の直前に暑い場所で合宿して1度体を慣らすなどの準備をしてもよかった。最終予選への大きな課題になった。
逆転負けは采配の甘さもあった。ハーフタイムでMF山本が暑さによる体調不良を訴えたが、関塚監督は本人の出場直訴を受けて、後半も続けて起用することを決めた。しかし、ガクンと運動量が落ち、中盤で相手にボールを拾われ、2失点につながった。同17分に交代させたが、指揮官は「無理させましたね」と反省の言葉を口にした。
幸い「中東の笛」と呼ばれる特別不可解な判定はなかった。主審は日本のペナルティーエリア内で倒れた選手に故意行為で警告も提示していた。しかし、DF鈴木は「体が正当に当たっているのにファウルを取られていた」。「審判がやっかいだった」とDF浜田も判定に矛先を向けた。その言葉には精神面の未熟さもにじんでいた。「戦闘」とも言われる最終予選では、もっと汚いプレーをしてくる選手もいる。判定が偏ることもある。今回の判定で不満を唱えていては、勝ち抜けない。
3組各4カ国で行う最終予選では再び中東勢と戦う。中国が敗れて第1シードになった日本は同シードの韓国、オーストラリア以外と同組になる。しかし、第2シード以下の9カ国中7カ国が中東勢。指揮官は「(同グループの)3カ国が中東の可能性もありますね。どういうスケジュールにするか…」と苦笑いを浮かべた。「こんな暑さは初めてだった」。選手は口々に言った。その言葉を最終予選で繰り返すことは許されない。【阿部健吾】

