【ドーハ(カタール)30日=福岡吉央】ロンドン五輪アジア最終予選で2月5日に中立地ヨルダンでU-23(23歳以下)日本代表と対戦するU-23シリア代表が、前回対戦時からメンバーを大幅に入れ替えていることが明らかになった。シリア関係者によると、監督が交代した影響もあり、今回の招集メンバー20人のうち、昨年11月の招集メンバーは8人。新たに12人が加わり、システムや攻撃スタイルも変わっている可能性がある。前回の対戦データをもとに対策を練ってきた同日本代表は、新たな対応を強いられそうだ。

 関塚ジャパン困った…。最終予選突破へ、大一番での対戦となるシリアが、まったく別のチームに変わっていた。シリア関係者によると、U-23シリア代表は昨年11月に日本に敗れた後、イマド・エッディン・ハンカン氏からハイサン・アル・ジュタル氏に監督が交代。今回の招集メンバー20人のうち、昨年11月の対戦時に代表に選ばれていた選手は8人だけで、そのうち先発したのは得点を挙げたFWアル・スマら6人だけだという。

 U-23シリア代表は1月4~13日までエジプトで1次合宿を行い、17~21日までは国内で2次合宿。27日にヨルダン入りし、現在、最終合宿中だ。エジプトで地元クラブなどとの練習試合で4-4-2、4-3-3、4-5-1など複数のシステムを試した。29日にはヨルダン国内リーグのアル・ラムサと練習試合を行い、2-0で勝利。2得点を挙げたのは昨年11月の対戦では控えだったFWマルドキアンで、次戦は先発の可能性もある。

 日本協会は昨年の対戦試合をはじめ、シリアの過去の予選映像を中心にスカウティングを進めてきただけに、主将MF山村和也(22=鹿島)は「核となる選手は変わらないと思うけど、あとは試合の中で相手のやり方を見て、対応していくしかない」。DF吉田も「まじっすか?

 まず、相手の動きを見るしかないですね」と顔をしかめた。

 MF清武は「相手は関係ない。自分たちのサッカーをすれば勝てる」と話したが、日本は昨年11月の対戦時からは山村、清武の復帰を除き、システムや大幅なメンバー変更はなく、事前の情報戦で不利な立場に立ったことは否めない。協会スタッフは残された期間で新たに情報を収集し、改めてシリア対策を練ることになりそうだ。