なでしこジャパンの五輪イヤーが、VIP待遇で華々しく幕を開けた。アルガルベ杯(29日開幕、ポルトガル)に出場するサッカー女子日本代表が26日、成田空港から出発した。前回の同大会への出発時には0人だった報道陣は約40人に急増。空港側も厳戒態勢を敷いた。大会期間中も全試合が地上波でテレビ放送される予定で、佐々木則夫監督(53)も気合が入りすぎたのか、空港の入り口でガラス窓に激突するハプニングがあった。

 午前10時半過ぎ、選手を乗せたバスが成田空港の国際線出発口の端に到着した。40人近い報道陣とカメラマンが待ち構える。一方で、ファンは1人もいない。男子のA代表でも移動時には数人のファンが集まるが、協会側が出発便などの情報管理を徹底。ある意味、ザックジャパンをも超えたVIP待遇だ。

 空港も厳重な態勢を敷いた。選手がバスを降りて空港に入るまでの道を緑のテープで規制し、選手を追って入り口を通過しようした報道陣を、空港職員が「別の入り口からお願いします!」と制止した。空港内でも、選手が一般客と接触しないよう公安検査まで専用通路が利用され、報道陣は選手にあいさつしかできなかった。

 大会初出場の昨年は、出発時は協会専属の記者のみで、実質の報道陣は0人。帰国時はわずか3人だった。テレビも前回はCS放送だったが、今年は全試合が地上波で生中継される。昨年の女子W杯ドイツ大会で優勝し、ロンドン五輪で金メダルが期待される今、その注目度は目覚ましく変わった。

 唯一、取材に応じた佐々木監督も「去年は報道陣がほとんどいなかったけど、今年はテレビでも放送されて、注目していただける。女子サッカーを見ていただくいい機会になるし、いい励みになります」と言った。

 そんな中、思わぬハプニングが発生。佐々木監督が取材を終え速足で入り口へ向かう際、ガラス窓を自動扉と勘違いしてそのまま衝突。大きな音に驚く報道陣に、「いてててて」と恥ずかしそうに頭を押さえた。

 「僕なりの時差ぼけ対策のひとつ」と、前夜はあまり睡眠を取らなかったという指揮官。寝不足からか、周囲をヒヤリとさせるシーン。大きな期待に応えるための、気合の裏返しともいえる一幕を残し、機上の人となった。【由本裕貴】