W杯出場への関門は、中東のピッチだ。11日のアジア最終予選でイラクを1-0で破ったザックジャパン。日本時間の12日未明、同じB組でオーストラリアがアウェーの地でヨルダンに敗れる波乱が起きた。日本は過酷な条件での戦いが予想される中東でのアウェー戦を3試合も残している。この日、ドイツに出発したキャプテンのMF長谷部誠(28=ウォルフスブルク)は「ただ勝ち点10を取っただけ。まだ何も決まってない」と手綱を締めた。
日本がジーコイラクを辛くも破った数時間後、遠く離れた中東のアンマンでは番狂わせが起きていた。日本が6月に1-1で引き分け、グループ最大のライバルといわれたオーストラリアが、ヨルダンに1-2で敗れた。キング・アブドラ国際スタジアムには多くの国民が詰め掛け、大歓声で敵国にプレッシャーをかけ続けた。オーストラリアは後半3分に微妙な判定でPKを取られ先制点を献上。反撃に出たが焦りからシュートの精度を欠いた。自国は冬から春に向かう季節。試合後の選手は汗だくでピッチに倒れ込んだ。
日本にとっても「人ごと」ではない。11月にはオマーンと、来年3月にはヨルダンと、そして6月にはイラクと、いずれも中東での試合が待つ。オーストラリアが敗れた模様をテレビで確認した長谷部は「中東のアウェーでの戦いは厳しいものになる。まだ3試合あるんで。昨日は勝ったけど、ただ勝ち点10を取っただけ。まだ何も決まってない」と気を引き締めた。
過去の日本のW杯予選での対中東勢アウェー成績は5勝2敗2分け。5勝中4試合は1点差と苦戦を強いられてきた。11月のオマーンは暑さが残る。来年のイラク戦は、同国の政情不安から中立地ドーハでの開催が濃厚。6月の中東は今回よりも高温の環境が予想され、コンディショニングに苦慮しそうだ。「イラクみたいな相手と戦って、自分たちの強さも感じることができた」と前向きに話した長谷部。厳しいアウェー戦克服が、さらなるレベルアップにつながる。【由本裕貴】

